はじめに

我々、デジタルテクノロジーディレクター®はメタバースをお客様のビジネスを変革しうる技術として捉えその可能性を検討・発信してきました。

この度、一般社団法人日本デジタル空間経済連盟様が主催するイベント「Digital Space Conference 2024」(Digital Space Conference 2024 (eventos.tokyo))に参加し、我々が考えるメタバースとデータ活用によるビジネス展開の可能性をご紹介する展示を実施しました。
本記事ではその展示内容を記載します。

データ取得の場所としてのメタバース

メタバースはデジタル空間上に構築された世界であり、そこにはデジタルで制御されたデバイスを介して参加することになります。
デジタルで制御されている、ということはそこで発生するあらゆる情報をITが取り扱える“データ”として取得できる、ということです。

参加者の身体動作を例にとると、現状でも目線の動きや手の動きといった情報がデータとして取得可能です。
一週間前のこの時間に自分が何に目線を合わせていたか?なんて現実世界では誰も覚えていませんが、メタバースではそれも“データ”として活用可能となります。

接続デバイスとしてはヘッドマウントディスプレイ、ハンドコントローラーといったところがまだまだ主流なので、完全に現実世界と同等にすべての身体動作をトレースできる訳ではありませんが、デバイス側も日々進歩しており、ゆくゆくはありとあらゆる身体動作だけでなく生体反応や感情表現といったデータも取得できるようになっていくことでしょう。

メタバースはビジネス価値の源泉となり得る様々なデータを、現実世界以上に取得可能な場所になっていくのです。

取得したデータを活用しメタバースでの体験に更なる価値を

メタバースで取得したデータについては現実世界のビジネスにおいても勿論有用に活用できますし、メタバース内でデータの取得⇒分析⇒活用というサイクルを廻すことにより、メタバース上での体験に更なる価値を提供することもできます。
その世界観の一例をご紹介します。

メタバースOneToOneマーケティング
消費者のメタバース内での購買に関わるあらゆるデータを取得し、消費者が何を思い・感じて購買行動をしているのかを分析できれば、それを活用し空間自体をパーソナライズするようなOneToOneマーケティングを実現でき、結果として消費者にとって現実世界以上に心地よい購買体験を提供可能です。

OneToOneマーケティングの具体例を考えてみましょう。

メタバースでは様々なイベントが開催されています。
そのイベントでは、参加者はステージ上のパフォーマンスを見て、リアクションをして盛り上がったり、エールを込めて投げ銭を送ったりすることが出来るとします。
このような参加者の行動を分析することができれば、イベント全体の盛り上がり状況から個人の興味嗜好まで、様々な気づきを得ることができ、イベントの中身を改善したり、参加者ひとりひとりに合わせたおススメのコンテンツや商品の紹介・提供といったことが可能となるのです。

まとめ メタバース×データ活用を実現していくために必要なこと

これまで紹介した世界観を実現しビジネスを変革していくためには、メタバースからデータを取得する仕組み、取得したデータを分析する仕組みと人財、分析した結果をメタバースに戻す仕組み、そして何よりデータ活用を通じた魅力的な体験自体を作っていく必要があります。

また、ただビジネス価値を追求していけば良いサービスができあがるかというとそうではなく、社会実装に向けては様々な課題(例えばあらゆるデータが取得できてしまうが故のプライバシーの課題)への配慮も必要となります。
まだまだこれからの状況ではありますが、我々もこの領域の将来性を踏まえチャレンジしています。

本稿を通じ、メタバース×データ活用の可能性を皆様が少しでも認識いただけるきっかけになれば幸いです。

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