データベース移行でビジネスを成長させる
例えば自社のECサイトのレスポンス性能がどうも遅い…と思っているシステム管理者がいたとします。
ECサイトの性能を悪化させているのはレコメンド機能だということがわかっていました。しかしレコメンド機能は売上増に寄与していることもわかっており、半年後に予定しているシステム更改では、さらなるレコメンド機能の拡充をしたいと考えていたところでした。
そんなとき、彼はGoogleによるこんな調査結果を目にしました。
表示速度が1秒から3秒に落ちると、直帰率は32%上昇する 出典:Daniel An、Google モバイル部門のグローバルプロダクトリーダーによる記事 |
このままでは頑張ってレコメンドの機能拡充をしても、レスポンス性能低下によりサイトを訪れる人が激減してしまう! ということに気付き、システム管理者は悩みました…。
これを解決する方法としてレコメンド機能について、データベースを従来のRDBMSから、業務目的に合ったグラフDBに移行して切り出す案があります。
レコメンド業務にマッチしたグラフDBに機能を移行することで、パフォーマンス改善や充実した機能追加が可能となり、さらなるビジネスの拡大が狙えるでしょう。
性能や機能の限界点を上げ、自社サービスが生き残るためには、システム特性に合わせて適切なデータベースへ移行することが解決になることがあります。
適切なデータベース製品の選択はコストダウンだけでなく、ユーザー体験を向上させるなど、ビジネスを拡大する鍵でもあります。データベース製品を変えることによるコストダウンやビジネス成長というメリットが移行コストをペイするならば、データベース変更を「攻め」の判断として決断すべきではないでしょうか。
しかしそれがわかっていても、データベース製品を後から変更することはアプリケーションや基盤の大きな変更を伴うため、なかなか難しいものです。
ここでは、データベース移行における課題は何か? どう乗り越えていくか? を解説します。
データベース移行を乗り越える
データベース製品の移行では「移行の実現性の判定」「アプリケーション資産の移行」「DBデータの移行」「DB基盤の再設計」 が課題となります。
こういったDB移行の課題をどう乗り越えれば良いのでしょうか。
これらの課題はDB移行のリスクであり、リスクが顕在化しないような対処をプロアクティブに実施するプロジェクト計画が重要となります。下記のようなリスク回避のためのタスクを実施する計画を盛り込みます。
DB移行の課題を正しく認識し、必要なタスク実施を計画することで、データベース移行が実現できます。
データベース移行の案件を数多くこなしていけば、ノウハウが蓄積し、移行のスピード感も上がっていきます。その結果、全体的なシステムアジリティの向上をもたらし、ビジネスの変化への追従速度を上げることができるでしょう。