インターンシップ実施したことありますか?
インターンシップ、今やその言葉を知らない学生や会社員はほとんどいないのではないでしょうか。
就活市場ではすっかりおなじみのキーワードですが、定着しだしたのはここ10年の間だったりします。
企業のインターンシップ実施率は、経済、社会情勢等の影響もあり年によって変動はありますが、右肩上がりの傾向にあります。(図①)

図①:インターンシップ実施率の推移
しかし、インターンシップ人気が過熱するトレンドの中でも、なかなか開催に踏み出せない企業や部署もあるのではないでしょうか。
その理由としては現場メンバが抱える以下の不安が影響していると考えられます。
- ①実施効果に半信半疑
- ②応募者が集まるか不安
私たちの組織でも、2年前まではインターンの効果については半信半疑、やりたいと声を上げる人もいないという状況でした。
実際にインターンシップの受け入れをしてみたところ、事前準備を含めると思ったよりも大変だったよ、という声も聞こえてきます。
そのような状況から受け入れに積極的になれない企業・部署の気持ちも理解できますが、一回も実施しないのはもったいないのではないでしょうか?
本記事では産学協議会で定義されている学生のキャリア形成支援活動4分類(図②) のうち採用直結型に該当するタイプ3を対象に、その魅力をご紹介していきます。

図②:キャリア形成支援活動の分類
図② 出典:採用と大学教育の未来に関する産学協議会 産学で変えるこれからのインターンシップ ―学生のキャリア形成支援活動の推進―
インターンの魅力に気づいてほしい!
インターンシップにはその準備の大変さに勝るメリットがあります。
本項では前段で触れたインターンシップ開催に踏み切れない担当者が抱える不安感にお答えします。
原因①:実施効果に半信半疑
開催にあたって障壁となる「インターンシップ本当に効果あるの?」、「業務で忙しい中で稼働を割いてまで実施する意義があるのか」というメンバの声ですが、私たちから直接その方に「インターンシップ本当に効果があるよ!」と声を大にしてお伝えしたいです。
主なメリットは「学生と職場のマッチングの精度の高さ」と「現場メンバの人材育成」の二つです。
まず「学生と職場のマッチングの精度の高さ」ですが、新卒採用本選考期間の面接と比較してマッチングできる学生の数は限られますが、より長い期間で密接に学生の志向や適性と自担当業務との適合度合いを確認することができます。
また、一般的にインターンシップは部署またはプロジェクト単位で個別のテーマを設定し募集を行うことが多く、直接自担当と相性の良い学生を見つけられるまたとない機会となります。
次に「現場メンバの人材育成」ですが、カリキュラム作りや学生への説明・アドバイスを通じて自業務に対する本質的な理解度の深化と後進育成など、普段の業務に繋がる経験を得ることができます。
受け入れ担当者に対しても、取り組みを通して経験してもらいたいことを意識づけることで、追加の業務というやらされ感から自身の成長に繋がる機会へと変わっていくのではないでしょうか。
原因②:応募者が集まるか不安
インターン開催経験のない方なら誰もが不安に思われますが、その心配は杞憂で、思った以上に応募者は集まります。
実際、就活生のインターンシップ需要は非常に高いです。
近年は複数企業のインターンに参加する学生も増えてきており、選考競争率は激化しています。
私たちもインターンに取り組んだ初年度は応募数にあまり期待していませんでしたが、実際には募集定員に対して約5倍の応募があり驚きました。
インターンシップをきっかけに職場の考えが変わる
私たちの組織は2023年からインターンシップ受け入れを開始しました。
きっかけは、新しい取り組みに前向きな管理職と別部署での受け入れ経験があるメンバが参画するチームが組閣されたことでした。
初年度はインターン受け入れのお試し感覚でおそるおそる始めたのですが、受け入れの結果、私たちの組織への志望度が高く、適正のある人材の見極めができたこと、インターンシップを通じて学生の志望度アップに繋がったことから、取り組みの意義を重要視されるようになりました。
その後2年目からは組織のKPIの一観点として採用されたり、他のチームも興味を持ち受け入れポストが増えたりと、職場の活性化と人材育成の幅出しに繋がりました。
今やインターンシップは私たちの組織の人材育成にとって欠かせない取り組みになったと言えます。
最後に
本記事を見て「インターンシップ、1回ぐらい試しにやってみてもいいのでは?」と前向きな気持ちに変わったのではないでしょうか。
もうすぐ次年度、夏期インターンシップの計画時期はあっという間に近づいてきます。
この機に職場の人材開発に対する機運を高めませんか?
