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DX時代におけるITベンダーと向き合う関係性

はじめに

デジタル技術を活用して新たな価値を生み出していくためには、内製化によって開発能力を自社に取り戻すことが重要な取り組みであると言われています。そして内製化を進めるにはシステム開発のノウハウや、また一定以上の人員を確保するのであれば要員マネジメント等のノウハウも必要です。日本においては、このようなノウハウはITベンダーが保有しています。つまりユーザー企業が内製化を進めることにはITベンダーのノウハウは必要です。

内製化に向け、ユーザー企業もITベンダーも互いに変化していく必要がありますが、その変化の道筋の第一歩として、既に付き合いのあるITベンダーとの距離感、表現を変えると向き合う関係性、についてあらためて考えてみるのはいかがでしょうか。

従来の関係性

日本におけるユーザー企業のシステム部では、自社のリソースでシステム開発を進めるのではなく、ITベンダーに依頼してシステム開発をするケースが多くみられます。それぞれが専門領域に集中する役割分担は合理的ではありますが、自社のコア領域であるシステムの開発を外部に依存する関係性が長期に続くと、互いに依存しあう状態になってしまう危険性があります。

そしてDX時代においては、このように互いに依存しあう関係性が持つ“負の側面”が強調される様になってきました。

双方の都合が一致せずプロジェクトが進まないケースは今までもありましたが、DX時代においては、変革に取り残されることのデメリットが従来よりも大きくなってきているため、ユーザー企業とITベンダーが互いの都合(思考ロジック)を理解して歩み寄り、Win-Winの関係でプロジェクトを進めることが今までにも増して重要となっています。

解決の方向性

双方向の課題であるため、ユーザー企業側とITベンダーの双方が変化し本質的な課題の解決に向かっていく必要があります。そこで取られるアプローチとして、従来の関係性を変える目的で新しくDX推進組織を立ち上げる動きがみられますが、はたして組織をつくればそれだけで良いのでしょうか。

ITベンダー自身が提示することに是非はあるとは思いますが、実際に顧客に向かい合っているなかで、中立的な立場で感じたこととして、ここでは一つの方向性を提案したいと思います。

内部からの組織変革

まず、どの様な状態を目標としたら良いのでしょうか。一例になりますが、以下の様なものが考えられます。変化に挑戦できるような環境づくりです。

【ユーザー企業側】

【ITベンダー側】

現状とはかなりギャップがあるのではないでしょうか。

そのようなギャップを埋めていくには自社の利益が最優先という短期的な目線から、互いの目標を共有するという中長期的な目線へ変わっていくことが重要となってきます。

そのためには「両者を橋渡しするコーディネーター」といった立ち位置(チーム)を作り、さらに、それを後方で支える組織が重要となります。

【コーディネーターチームのポイント】

【後ろで支える組織のポイント】

こうすることで、コーディネーターチームが単なる寄合ではなく、本当の意味で目的に対する最適な解を提示できるチームになることができます。つまり経営者には短期的な利益追求から、より中長期的な視点で相互繁栄する様な経営判断が求められる時代になると思います。

まとめ

ユーザー企業とITベンダーが短期的な利益ではなく長期的な関係を築いていくためにはそれぞれが変化していく必要があり、そのためには、両者を橋渡しするコーディネーターのチームを組成することに加えて、コーディネーターチームをサポートする組織の存在が重要になると考えています。

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